第2回スペシャル! 中村静香×大倉燁子「魔性の女」東留伽×太宰治「ヴィヨンの妻」

【主催者 後記】

 9月10日 東留伽×太宰治「ヴィヨンの妻」中村静香×大倉燁子「魔性の女」~女の白と黒~

 初回の公演を賑々しく、無事に終えまして、2回目は2本立てのスペシャル回です。

 東留伽さんは、元ABCのアナウンサー。この春、フリーになられたばかりです。お読み頂くのは「ヴィヨンの妻」。自由奔放な夫。翻弄されながらも強く生きる妻と子供。人間味溢れる、好きな小説。ラストの達観したような妻の台詞が良いですよね。

 東さんの優しい雰囲気と声。作中の「ヴィヨンの妻・さっちゃん」と年齢も近いし、キャラクターも合う。作品の世界を上手く表現して頂けると思い、お願いしました。

 この小説は、難しいんですよね。心がはっきりと表に出てこない。そこをどう読み取って解釈して伝えるか。東さんとは8月上旬にリハーサルを行いました。このセリフはどういう意図なんだろう?どうやって声に出そう?かなり悩んで、作品と真剣に向き合って頂きました。書いてあること、書いていないところまで、太宰の心を一緒に考えながら、リハーサルを行いました。

 さて本番。不安と緊張もあるとのことでしたが、素晴らしい朗読でした!当然ですが、ご出演の皆さん、本番が、一番素晴らしくて。また見たい!との声も多くありますが、この1回限りの舞台だからこそ、辿り着ける場所もあるんですよね。悩ましい。

 元アナウンサーですから、読むスピード感が絶妙に心地よい。言葉の運び方も綺麗。「優しく寄り添う」ような朗読。無理に押し付けない、作品を正しく尊重したよう。東さんのおおらかさと忍耐力があってこその朗読でした。

 約65分。全3ブロックから成る小説ですが、お客席の集中力を切らせず、巧みに空間をリードされていました!

 中村静香さんに読んで頂いたのは、「魔性の女」。冷めきった夫婦。夫は、若い女と不倫。全てオミトオシの妻。そんな妻(魔性の女)には、第六感の不思議な力があって・・・。

 「ヴィヨンの妻」が65分程度の長編でしたので、対照的に、スピード感のある短編小説を。映像も浮かびやすい。でも一方で、ありそうでなさそうな設定。ここを悟られないように読む、というのは実は結構難しいのです。

 舞台やお芝居経験も豊富な中村さんなら、この女性の心理を巧みに表現して頂けるはず!と思い、お願いさせて頂きました。8月、事前リハーサルの様子。既に立体的で、作品の芯を捉えていらっしゃいました。

 本番。ここに照準を合わせて、最高到達点に高めてぴたっと合わせてくる。やはり流石の表現者でした!

 本番直前までアクセントと表現の確認。ギリギリまで細部まで。入念な準備です。

「魔性の女」は現実の世界から、非現実的な世界へと移行していく。「ありそうで、なさそうで」 そんな難しい小説を…… 溢れる疾走感で駆け抜けて行きました。特に妻(魔性の女)の気持ちの乗せ方が巧。お客様を取り込みながら、また中村さんも読みながら、どんどん気持ちを込めて乗せていく。「爽快」な朗読でした。お客さんとの一体感、LIVEだからこそのステージでした!!

 ヴィヨンの妻前半・後半/魔性の女 と3パートに分けた初の試みの会でしたが、来られた方の満足度も高く、2本立てのスペシャル回も盛況に終わりました。東さんも中村さんも、素晴らしい朗読でした。いつか再演したいです。ありがとうございました!!

【番組】

一.洒落番頭

一.ヴィヨンの妻 前半

一.ヴィヨンの妻 後半

一.魔性の女

第2回スペシャル! 中村静香×大倉燁子「魔性の女」東留伽×太宰治「ヴィヨンの妻」

ゲスト:中村静香・東留伽

開催日: 2026年9月10日

会場:渋谷区大和田文化総合センター さくらホール

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